韓国の国産戦車は、エンジン関係の開発に失敗した。 機体や車台のなどのパッケージは作れても、エンジンなどは冶金工学や色々な基礎工学技術がないと成功はしない。
戦前、日本だって航空機の製造において、優れた機体を数多く輩出した。しかしながらエンジンに関してはダイムラー・ベンツのDB601系のエンジンを作ることは出来なかった。 DB601は優れた航空機エンジンであったが、ライセンス生産された国産の熱田、ハ40は、長いV12気筒エンジンのクランクシャフトを作ることが出来ず、またエンジン各パーツ自体の精度が出ないため、オイル漏れ等のトラブルが多発した。 これらはひとえに、ドイツの設計者が想定した精度の部品が作れなかった日本の工業力のなさに起因する。
今回の韓国の戦車のパワーユニットも同じ問題ではないかと思う。 戦車のエンジンは過負荷状況での使用ありきだろう。だとすれば、その状況を考慮した設計は出来ても、構成部品が完成品としては機能出来ないのではないか?
韓国が冶金分野で遅れているのは今に始まったわけではない。 国産小銃K1とK2では、作動方式がダイレクト・インピジメントシステムからロングストロークピストン式に変わっているが、参考にした米国製のAR-10とボルトキャリアを同じ強度で作成できなかったのである。そのため、方式を変更したが、試作段階では仕方がないので米軍の廃品ボルトキャリアを回収、使用していたと言う。 一見、表に出ない基礎工学はこのように重大な局面でプロジェクトに大きな影響を及ぼす。
韓国は電子分野での発展が著しい。しかしながら、総合的な基礎技術はそれほど進んでいないのではないか?これは中国にも当てはまるのではないかと思う。 基礎技術は導入することは出来る。しかし、それを自らのモノにすることは大変難しい。
それが基礎工学である。 日本は敗戦後、基礎工学分野の育成に官民で尽力してきた。それはモノづくりの現場ではいろんな例として見ることが出来る。今、それが危機的状況にあるかは定かではない。 しかし、重要性に気がつくかは大きな違いだと思う。
(朝鮮日報日本語版) 韓国軍:K2戦車用パワーパックの開発に失敗
朝鮮日報日本語版 3月30日(金)9時11分配信
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/30/2012033000679.html
韓国軍の次世代型戦車K2(通称・黒ヒョウ)のパワーパックが最近実施された試験評価でまたも技術的問題を露呈したことが、29日までに分かった。パワーパックとは、エンジンと変速機を一体化した重要なパーツだ。
韓国軍消息筋は29日「最近、韓国国内の技術で開発されたパワーパックの試験評価が行われたが、冷却ファンの速度制御、冷却試験の最大出力、加速性能の3項目で韓国軍が要求する性能を満たせず、技術的欠陥の原因究明にも失敗したようだ」と語った。これにより、来月2日に国防部(省に相当)で行われる防衛事業推進委員会では、K2戦車の初生産分100台(全200台)に搭載するパワーパックをドイツから輸入す
る案が検討されるものとみられる。
ある防衛産業関係者は「ドイツからパワーパックを輸入する決定が出ても、別途に運用試験評価をパスしなければならない。輸入の納期日程などを考慮すると、K2戦力化の時期は2014年以降にずれこまざるを得ない」と語った。韓国製パワーパックの開発には、これまでに約1200億ウォン(約87億円)が投入されたという。