必ずしもこれが全部できればよいと言うことではない。欧米では上手くいくことも日本では上手くいかないことも書いてある。 しかしこの考え方自体は素晴らしい。 自分に合わせてアレンジしたらよいのではないか、と思う。参考になります。
自分の市場価値が倍になる勉強法
PRESIDENT 2013年2月18日号
http://president.jp/articles/-/8873
目まぐるしい変化の時代、生き残るためには常に新たなことを学ぶ姿勢が不可欠だ。では、多忙な仕事の傍ら、どうやって学べば最も効率的にスキルを高められるのか。
常に「より賢く」なることが必要な時代
われわれはみな、何らかのスキルを高めたいと思っている。仕事で成功するためには、とにかく自分を向上させることが必要だ。人前で話すことであれ、ソーシャル・メディアの活用の仕方であれ、データ分析の仕方であれ、自分がどんなスキルを高めたいのかはわかっているとしても、ではどうやってそれを学び始めればよいのだろう。もちろん、学習の仕方はスキルによって、また人によって異なるだろうが、誰にとっても役立つ一般的なルールがいくつかある。
新しいスキルを習得するということは、今日のビジネス環境において不可欠なことである。「目まぐるしく変わる競争の激しい世界では、新しいスキルを習得する能力は成功のカギの1つである。賢いだけでは十分ではない。常により賢くなっていることが必要なのだ」。こう語るのは、社会心理学者で、『Nine Things Successful People Do Differently』の著者、ハイディ・グラント・ハルヴァーソンだ。
バブソン大学の経営学・組織行動論教授で『The Coaching Manager : Developing Top Talent in Business』 の共著者、ジョセフ・ワイントローブも同じことを言う。「自分の能力を伸ばす機会、最初は必ずしも楽ではないやり方で伸ばす機会を絶えず探し求める必要がある。成功するためには継続的な向上が必要だ」。では、自分を向上させようとする際に従うべきいくつかの原則を紹介しよう。
その目標を本当に達成できるか
新しいスキルや能力の開発に取り組むときは、まず2つのことを確認する必要がある。1つは、自分の設定している目標が達成できるかどうかということだ。「人が習得できることには一定の限界がある」と、ワイントローブは言う。「たとえば、脳外科医になりたいと思っても、それに必要な目と手の協応力がない場合は、どうにもならないだろう」。
2つ目は、自分はその学習にどれだけの時間とエネルギーを投入できるかだ。「新しいスキルを習得するのは、薬局に行って処方箋に書かれている薬を受け取るのとはわけが違う」と、ワイントローブは主張する。自分を向上させるためには懸命な努力が必要なのだ。
ハルヴァーソンも同じことを言う。「何かをやるのに大変な努力が必要だとすれば、それはその何かの能力がないということだと、多くの人が暗黙のうちに思っている。これはばかげた考えだ」。新しいスキルを習得するためには、並外れた努力が必要であることを認識しよう。目標が達成可能で、なおかつ懸命に努力する覚悟があるという条件が満たされていないかぎり、あまり大きな進歩はないだろう。
キャリアにとって投資とリターンが見合っているか
そのスキルが自分のキャリアか自分の会社にとって、もしくはその両方にとって意味のあるものかどうか確認することも必要だと、ワイントローブは言う。たとえば、あなたが大勢の聴衆の前で話すスキルを習得したいと思ったとしても、あなたの上司はそれに価値を見出さないかもしれない。自分の現在の職務に絶対に必要なスキルでないかぎり、上司から訓練の費用や支援を得ることはできないだろう。新しいスキルを習得することはいわば投資であり、そのリターンは何なのかを事前に知っておく必要がある。
最も効果的な学習スタイルとは
本を読んだり図を見たりすると最も効果的に学べるという人もいれば、実演を見たり説明を聞いたりするのが一番よい方法だという人もいる。また、実際にやってみなければ学び取れない人もいる。過去を振り返ることで自分の理想的な学習スタイルを見つけることができると、ハルヴァーソンは主張する。
「過去の学習経験を振り返って、成功した経験と失敗した経験のリストをつくろう」と、彼女はアドバイスする。
「成功した効果的な経験に共通していたものは何だろう。失敗した経験についてはどうか。共通の特徴を突き止めることは、自分にとって最も効果がある学習環境を見つける助けになる」
他の人々から支援を得ることで、学習が大幅に促進されることがある。自分が獲得しようとしているスキルに熟達している信頼できる人を見つけよう。その際、自分を評価しなければならない立場にいる直属の上司以外の人を探そう。「この会社で、上司を除いて誰が私の変化に気づいて率直なフィードバックをくれるだろうか」と考えてみようと、ワイントローブは語る。それから、その人物に連絡をとって、たとえば次のように頼んでみよう。「あなたは私があまり得意ではない○○がとてもお上手ですが、私はそれを本気で勉強しようとしています。あなたと少し一緒に過ごさせていただいて、あなたから学んだり、フィードバックをもらったりできるととても嬉しいのですが」。
社内でメンターを見つけられない場合は、同じ業界にいる人や自分のネットワークから見つけよう。
「つまるところ、一番いい先生につくということだ。社内に質の高いメンタリングを与えてくれる能力と意志のある人物がいれば、それはすばらしい。いない場合は、社外から支援を得よう」と、ハルヴァーソンは言う。
小さく始め、人に教えることで効率をアップする
自分を向上させるのは途方もない作業のように感じられることがある。「あらゆることを身につけることはできない。そうしようとしたら、結局何も身につかない」と、ワイントローブは指摘する。
1つか2つのスキルを選んで、それを取り組みやすい目標に分解しよう。たとえば、もっと自己主張できるようになろうとしている場合には、会議が始まって5分以内に発言することを目標にして、会議でもっと頻繁に発言することに重点的に取り組んでもよいだろう。
実験の段階から熟達に移行するためには、自分の学んでいることを確認する必要がある。そうしなければ、新しいスキルは自分のものにならない。ハルヴァーソンもワイントローブも、人に話すことを勧めている。
「情報面や感情面の支援を与えてくれそうな人たちに自分の目標を必ず伝えよう」と、ハルヴァーソンは言う。「具体的な答えを持っていなくても、その人はあなたが自分の進歩の度合いを正しく認識する手助けをすることができる」と、ワイントローブもアドバイスする。
自分の進歩について話すことで、あなたは貴重なフィードバックを得られるし、このスキルを習得するという自分の言葉に責任を持たざるをえなくなって確実に変わることができる。
新しいことを学んで、それを実践する一番の近道は、他の人々にそのやり方を教えることだ。だから、自分が学んだことを自分のチームか上司、もしくは同僚に教えよう。教える日をカレンダーに書き込んだり、数カ月後に公式なトレーニング・セッションで他の人々を指導すると約束したりして、教えざるをえない状況をつくればよい。このような目標があれば、学習ははるかに集中した実際的なものになる。
「短期間でものにするべきだという姿勢で新しいスキルを学び始める人がじつに多い」と、ハルヴァーソンは語る。実際には、はるかに長い時間がかかる。
「一夜にして習得できるわけではない。新しいスキルを身につけるには、通常少なくとも半年はかかる」と、ワイントローブも言う。しかも、他の人々がそれに気づいて評価してくれるようになるには、さらに長い時間がかかるかもしれない。
「あなたがどれほど変わっても、周囲の人々はその変化の10%にしか気づかないものだ」と、彼は言う。