元週刊文春の編集長さんのショートコメントがなかなか読ませてくれる。こういうコメントを出す人が減ってつまらない。
Yahooニュースから引用
暴力団幹部がイスラム国人質殺害事件に一言。
花田紀凱 | 『WiLL』編集長、元『週刊文春』編集長
2015年2月14日 23時36分
http://bylines.news.yahoo.co.jp/hanadakazuyoshi/20150214-00043045/
これは『アサヒ芸能』ならではの特集だ。2月12月号の「イスラム国邦人拘束殺害事件 右翼民族派とヤクザが読み解く極悪テロ」。
関東広域組織の3次団体組長の話。
まずIS国とヤクザの「交渉」の違い。
〈恐怖を利用する点では同じだけど、ガラ(身柄のこと)をさらうのはまだしもカネ要求は最低だな。人質交換の要求も卑怯。我々の感覚的には恥ずかしいやり方だ。任侠に生きる人間は侍という自負を持っている。力で奪い取るのは誉れになるが、“泥棒”は蔑まれて、この世界では生きていけない〉
人質を取って交渉してくる相手に対してどう対応するか。
〈さらわれたらうちの組では『戸板に乗せて返してこいよ』ってことになるよ。煮るなり焼くなり好きにしろ。その代わり戦争だぞって。抗争時には盛り場に行かないように通達が出るし、殺されても自己責任という部分もある。組員とはいえ、何としても助けるという発想はない。日本もやられたら戦争するくらいの気概がないと、交渉は話にならないだろう〉
ヤクザ渡世の人々の方が、よほど腰が据わっている。
ISテロにまだ模索してるのか朝日新聞
花田紀凱 | 『WiLL』編集長、元『週刊文春』編集長
2015年2月24日 0時19分
http://bylines.news.yahoo.co.jp/hanadakazuyoshi/20150224-00043290/
「イスラム国」による日本人人質殺害事件真っ最中の1月26日、官邸前で「官邸前DISCO化計画」というイベントに参加。ビール片手に「楽しく、戦争反対を叫んでた」社民党の福島みずほ前党首(それにしても社民党に誰かとめる奴はいなかったのか)。
「こういうこと(安倍総理の中東歴訪、人道支援)がなければもっと常識的な金額で話がついていた。人質を救うためには安倍総理が辞任すべきだ」
などというトンデモ発言をした柳澤協二氏(小泉内閣時代の内閣官房副長官=安全保障担当)。
こんな無責任かつ無知な連中は、ま、どうでもいい。勝手に言わせ、歌わせておけばいいのだ。自らの無知をさらすだけだから。
しかし朝日新聞の社説が、彼らのレベルでは困る。いや、困りはしないが呆れる。
2月16日「人質事件は終わらない」と題した社説。
抽象論に逃げ、結論をハッキリ書かないのは、ま、朝日に限らず社説の通弊だが、それにしても今回はひどい。
〈今回の事件を機に、「イスラム国」による恐怖支配の下で暮らす彼ら(拘束されているジャーナリストや地元の何百万人もの市民)にも思いをはせたい。その苦悩を共有してこそ、国境を超えた連帯が生まれ、「イスラム国」壊滅への道が開けるに違いない〉
「市民と苦悩を共有」すれば「『イスラム国』壊滅の道が開ける」なら、何も苦労はない。
相手は残虐極まりない、法もへったくれもないテロ集団だ。そんな甘い対応が通じる相手ではなかろう。
で、社説の結論。
〈彼女ら彼ら(「ボコ・ハラム」によって誘拐された女子生徒ら)もKenjiやHarunaと同様、一人ひとりがかけがえのない名前と人生を持つ。一日も早い解放に向けて何ができるか、模索したい〉
朝日はいったい、いつまで「模索」しているつもりか。「模索」したら何かいい方法を思いつくのか。
そんな悠長なことを言ってる間にも人質はどんどん増え、次々に殺害されているのだ。「イスラム国」との戦闘で多くの市民、兵士が犠牲になっているのだ。
これぞまさしくおためごかし社説の典型だ。
「イスラム国」というテロ集団は取り敢えず力で征圧するしかない。そのためには本来なら自衛隊法を改正し、人道支援のみならず、自衛隊の派遣さえ検討しなければならない局面なのだ。
「火事が起きた家に、消防士が入らなければ、救出されない人は命を落とす」
1月29日、安倍総理は国会でそう言って自衛隊法改正を示唆した。
それに対しても朝日は7日の社説「邦人救出 地に足のついた議論を」でこう言っている。
〈自衛隊法を改正しても、今回の人質事件のようなケースでの適用は困難だ〉
〈海外での武力行使にあたり、憲法違反となる〉
で、その日の社説の結論は、
〈短兵急な議論は危険だ〉
繰り返すが、相手は無法なテロ集団なのだ。しかも日本人人質が2人捕まっていた。
「短兵急」にやらなければ間に合わない。実際に2人は殺害された。
「模索」しているヒマはない。